
200L、400L、1,000L……数字がいっぱい出てきて、もう分かんない!

数字だけをバラバラに覚えようとすると、大変ですよ。まず意味と関係から整理していきましょう
危険物乙4の勉強を進めていると、つまずきやすいのが「指定数量」の暗記です。特殊引火物・第1石油類・アルコール類・第2石油類・第3石油類・第4石油類・動植物油類と分類が多く、しかも同じ分類の中でも水溶性と非水溶性で数字が変わるため、数字だけを見ると混乱しやすい範囲です。
この記事では、指定数量を「意味→分類→代表物質→数字の関係→倍数」の順番で整理していきます。一気に全部を丸暗記しようとせず、順番に理解していきましょう。
結論|指定数量は数字だけを丸暗記しない
指定数量は、200L・400L・1,000Lのような数字だけを単独で覚えようとすると、途中でどれがどれだか分からなくなりがちです。
まず次の順番で整理すると、数字が頭に残りやすくなります。
- 指定数量の意味を理解する
- 第4類の分類の全体像をつかむ
- 分類ごとの代表物質とセットで覚える
- 数字同士の関係(水溶性は非水溶性の2倍など)を利用する
- 指定数量の倍数の考え方を理解する
この記事では、この順番に沿って一覧・覚え方・倍数の基本を解説します。
そもそも指定数量とは?

そもそも指定数量って何のための数字なの?

指定数量は、消防法上の規制がかかるかどうかを判断するための基準になる数量です。危険物の規制に関する政令で、危険物の種類ごとに定められています
指定数量とは、危険物の規制に関する政令で危険物の種類・性質ごとに定められている数量のことです。実際に貯蔵・取り扱う数量が指定数量以上になると、消防法上のさまざまな規制(貯蔵・取扱いの許可、設備基準など)の対象になります。
危険物乙4(引火性液体)では、ガソリンや灯油のように普段から目にする物質も対象になるため、指定数量を理解しておくことは実務上も試験対策上も重要です。
指定数量そのものの詳しい法令上の要件(指定数量未満の場合の扱いなど)は、出題される科目や年度によって問われ方が変わる可能性があるため、断定的な説明が必要な場合は公式テキストや消防試験研究センターの資料もあわせて確認してください。
危険物乙4で覚えたい指定数量一覧
危険物乙4(第4類:引火性液体)の指定数量を、分類・水溶性/非水溶性・代表物質とセットで整理すると、次のとおりです。
| 品名・分類 | 水溶性/非水溶性 | 代表物質 | 指定数量 |
|---|---|---|---|
| 特殊引火物 | (区別なし) | ジエチルエーテル、二硫化炭素 | 50L |
| 第1石油類 | 非水溶性 | ガソリン、トルエン | 200L |
| 第1石油類 | 水溶性 | アセトン | 400L |
| アルコール類 | (区別なし) | メタノール、エタノール | 400L |
| 第2石油類 | 非水溶性 | 灯油、軽油 | 1,000L |
| 第2石油類 | 水溶性 | 酢酸、アクリル酸 | 2,000L |
| 第3石油類 | 非水溶性 | 重油、クレオソート油 | 2,000L |
| 第3石油類 | 水溶性 | グリセリン、エチレングリコール | 4,000L |
| 第4石油類 | (区別なし) | ギヤー油、シリンダー油 | 6,000L |
| 動植物油類 | (区別なし) | ヤシ油、アマニ油 | 10,000L |

表だけを見て丸暗記しようとすると混乱しやすいため、次の「覚える3ステップ」で整理していきましょう。
初心者向け|指定数量を覚える3ステップ
①まず分類を整理する
いきなり数字から覚え始めず、まず7つの分類の全体像を確認します。
特殊引火物 → 第1石油類 → アルコール類 → 第2石油類 → 第3石油類 → 第4石油類 → 動植物油類
この順番は、大まかに「引火しやすい(危険度が高い)ものほど指定数量が小さく、引火しにくいものほど指定数量が大きくなる」という関係にもなっています。数字を個別に覚える前に、まずこの並び自体を頭に入れておくと、後の暗記がラクになります。
②代表物質とセットで覚える
分類名だけを覚えても、試験では物質名で問われることが多いため、「分類+代表物質+指定数量」をセットで覚えます。
- ガソリン → 第1石油類・非水溶性 → 200L
- 灯油・軽油 → 第2石油類・非水溶性 → 1,000L
- 重油 → 第3石油類・非水溶性 → 2,000L
- メタノール・エタノール → アルコール類 → 400L
- アセトン → 第1石油類・水溶性 → 400L

ガソリンと灯油、重油の指定数量くらいは物質名から即答できるようにしておいた方がいいぞ
普段よく聞く物質から先に固めておくと、残りの物質も分類のイメージと結びつけやすくなります。
③数字同士の関係で整理する
一覧表を見ると分かるとおり、第1〜第3石油類では「水溶性の指定数量は、非水溶性の指定数量のちょうど2倍」になっています。
- 第1石油類:非水溶性200L → 水溶性400L
- 第2石油類:非水溶性1,000L → 水溶性2,000L
- 第3石油類:非水溶性2,000L → 水溶性4,000L
この関係を知っておくと、非水溶性の数字さえ覚えれば、水溶性の数字は「2倍」として導き出せます。ただし、これは第1〜第3石油類の一覧上の関係を覚えやすくするための整理方法であり、法令上の計算式ではありません。無理に他の分類にも同じ関係を当てはめようとしないでください。

語呂合わせは使っていい?

語呂合わせだけ覚えれば余裕じゃない?

語呂合わせは補助としてはアリだけど、語呂だけ覚えて分類や意味が分からなくなるのは本末転倒だぞ
語呂合わせは、あくまで分類の順番などを思い出すきっかけとして使うのはよい方法です。ただし、語呂だけを覚えて意味や分類が結びついていない状態では、問題文で物質名や状況から判断する場面に対応できなくなります。
当サイト独自の覚え方です。7つの分類の順番(特殊引火物→第1石油類→アルコール類→第2石油類→第3石油類→第4石油類→動植物油類)は、頭文字をつなげて次のようにリズムよく唱えると覚えやすくなります。
「特・一・アル・二・三・四・動(とく・いち・あるこーる・に・さん・よん・どう)」
この語呂はあくまで「分類の並び順」を思い出すためのものです。指定数量の数字そのものは、前章の「代表物質とセットで覚える」「数字同士の関係で整理する」とあわせて覚えるようにしてください。
他サイトで紹介されている語呂合わせを探して使うこと自体は否定しませんが、意味を理解しないまま丸暗記するだけにならないよう注意しましょう。
指定数量の倍数とは?

「指定数量の倍数」とは、実際に貯蔵・取り扱っている数量が、指定数量の何倍にあたるかを表す考え方です
指定数量の倍数の基本は、次の式で求めます。
実際の数量 ÷ 指定数量 = 指定数量の倍数
オリジナル例題
以下は、この記事のためにオリジナルで作成した例題です。実際の公式試験問題の転載・改変ではありません。
問題:ある場所でガソリンを400L貯蔵している。このときの指定数量の倍数はいくらか。
考え方:ガソリンは第1石油類・非水溶性のため指定数量は200L。400L ÷ 200L = 2。
答え:指定数量の倍数は2倍
このように、まず「その物質の指定数量がいくつか」を確認してから割り算をする、という順番が基本になります。
なお、性質の異なる複数の危険物を同一の場所で貯蔵・取り扱う場合は、それぞれの危険物について「実際の数量÷その危険物の指定数量」を求め、それぞれを合計して倍数を判断するという考え方があります。この記事では基本の考え方の紹介にとどめ、複数品目の合算計算や、より詳しい計算問題の解き方については、次の記事で詳しく解説しています。
危険物乙4の計算問題の解き方|初心者向けに公式・単位・途中式を解説では、「何を求める問題か→使う式→単位→途中式→解く順番」という計算問題全般の考え方を詳しく紹介しています。あわせて読んでみてください。

指定数量で間違えやすいポイント
指定数量の学習でつまずきやすいポイントを整理します。
- 数字だけを単独で覚えようとして、分類と結びつかなくなる
- 似た分類(第2石油類と第3石油類など)を取り違える
- 水溶性と非水溶性を混同し、2倍の関係を逆に覚えてしまう
- 「L」の単位を見落として桁を間違える
- 「指定数量」と「実際に貯蔵・取り扱っている数量」を混同する
- 倍数計算で、分子(実際の数量)と分母(指定数量)を逆にしてしまう
これらは知識不足というより、整理の仕方や確認不足で起きやすいミスです。一覧表・3ステップの覚え方に戻って、都度確認する習慣をつけましょう。
試験直前は何を確認する?
試験直前の短時間復習では、次の内容を中心に見直すとよいでしょう。
- 7つの分類の並び順
- 分類ごとの代表物質
- 分類ごとの指定数量
- 水溶性/非水溶性による数字の違い
- 指定数量の倍数の基本(実際の数量÷指定数量)
指定数量は乙4の法令分野で繰り返し関わってくる範囲ですが、出題内容や出題数は年度・回によって異なる可能性があります。「ここだけ覚えれば合格」「これだけ見れば必ず出る」といった断定はできませんので、直前確認はあくまで基本事項の再確認として活用してください。
参考書とアプリを使った覚え方

レンとか先生はどうやって覚えてるの?

俺は得意な方だけど、苦手な人ほど問題を解きながら確認する方法が向いてると思うぞ
ここからは、運営者自身の勉強方法を紹介します。運営者は危険物乙4を現在勉強中で、受験経験はありますが、まだ合格は確定していません。合格した勉強法としてではなく、勉強中の実体験として読んでください。
運営者は、指定数量に限らず全体的に次の流れで勉強を進めています。
- 問題を解く
- 間違える
- 参考書で該当箇所を確認する
- もう一度解く
参考書を最初のページから通読する方法は、途中で進まなくなってしまいました。数字の暗記・物理化学・計算問題には苦手意識があるため、問題演習を中心にして、間違えた部分をそのつど参考書で確認するやり方に切り替えています。
実際に使用している教材は次のとおりです。
- 参考書:KADOKAWA『この1冊で合格! 教育系YouTuberけみの乙種第4類 危険物取扱者 テキスト&問題集』
- アプリ:『危険物乙4(おつよん)全問解説』
- アプリ:『危険物取扱者乙4 一問一答』
上記以外の教材・アプリは、この記事の時点では使用していません。「使ってみた」という体験談として書けるのは、上記3つのみです。
参考書・問題集選びで迷っている場合は、複数の参考書・問題集をタイプ別に比較した記事も用意しています。
危険物乙4の参考書・問題集を比較|初心者向けの選び方と使い分けもあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 指定数量は全部覚える必要がある?
A. 第4類の指定数量は法令分野で繰り返し関わる範囲のため、全体像を理解しておくことをおすすめします。ただし、細かい出題傾向は年度・回によって異なる可能性があるため、断定はできません。
Q. 語呂合わせだけで大丈夫?
A. 語呂合わせは分類の順番などを思い出す補助として有効ですが、語呂だけで意味や分類の理解が伴わないと、応用が必要な問題に対応しにくくなります。一覧表・3ステップの覚え方とあわせて活用してください。
Q. 指定数量の倍数計算も勉強した方がいい?
A. 指定数量の意味を理解したうえで、倍数の基本的な考え方(実際の数量÷指定数量)まで押さえておくと安心です。詳しい計算問題の解き方は、計算問題の記事で扱っています。
Q. 指定数量はどの科目で勉強する?
A. 主に法令分野に関わる内容です。具体的な出題科目・出題数は、公式の試験案内や消防試験研究センターの情報もあわせて確認してください。
Q. 数字がどうしても覚えられないときは?
A. 数字だけを単独で覚えようとせず、分類・代表物質とセットにする、水溶性は非水溶性の2倍という関係を使うなど、この記事で紹介した整理の仕方を試してみてください。
まとめ|意味と関係を理解してから覚えよう

焦らなくてよい。数字は一度に全部覚えようとせず、意味と関係から一歩ずつ整理していけば十分じゃ
指定数量は、数字だけをバラバラに丸暗記しようとすると混乱しやすい範囲です。この記事で紹介した「意味→分類→代表物質→数字の関係→倍数」の順番で整理すると、一覧表の数字が結びつきやすくなります。
- 分類の全体像(特殊引火物→第1石油類→アルコール類→第2石油類→第3石油類→第4石油類→動植物油類)をつかむ
- 分類・代表物質・指定数量をセットで覚える
- 水溶性は非水溶性の2倍という数字の関係を活用する
- 語呂合わせは補助として使い、意味の理解を忘れない
- 倍数の基本(実際の数量÷指定数量)を押さえる
指定数量の計算問題をもっと練習したい場合や参考書・問題集選びで迷っている場合は、次の記事もあわせてご覧ください。
危険物乙4の計算問題の解き方|初心者向けに公式・単位・途中式を解説、危険物乙4の参考書・問題集を比較|初心者向けの選び方と使い分け


コメント