危険物乙4の種類と分類一覧|第4類危険物7区分の覚え方・見分け方

危険物乙4の第4類危険物7区分の種類・分類を表すアイキャッチ画像 勉強法

危険物乙4の勉強を始めると、「特殊引火物」「第一石油類」「アルコール類」「第二石油類」……と、分類名がいくつも出てきて、名前と順番だけで混乱してしまうことがあります。

はじめに、この記事で扱う「種類」について確認しておきます。危険物取扱者には甲種・乙種・丙種という資格の種類や、乙種第1類〜第6類という区分がありますが、この記事で扱うのはそれらではありません。危険物乙4(乙種第4類)が対象とする「第4類危険物」の内部にある7区分についての記事です。

ミオ
ミオ

第一とか第二とか、途中にアルコールも入るし、順番からもう怪しい……

ミナ先生
ミナ先生

大丈夫ですよ。第4類は7つの区分に分かれていて、順番にはちゃんと理由があります。一緒に整理していきましょう

この記事では、第4類危険物の7区分を一覧で整理したうえで、石油類の引火点の境界、特殊引火物・アルコール類・動植物油類の別条件、水溶性・非水溶性という別軸の性質、そして問題文からどう分類を考えればよいかまで、初心者向けに解説します。

結論|第4類危険物は7区分で整理しよう

結論から言うと、危険物乙4で扱う第4類危険物(引火性液体)は、次の7区分に分かれます。

  1. 特殊引火物
  2. 第一石油類
  3. アルコール類
  4. 第二石油類
  5. 第三石油類
  6. 第四石油類
  7. 動植物油類

この7区分のうち、第一〜第四石油類は「引火点の境界」で整理しやすいのですが、特殊引火物・アルコール類・動植物油類はそれぞれ独立した条件を持つため、7区分すべてを引火点だけの一直線として覚えることはできません。また、水溶性・非水溶性という性質は、この7区分とは別の軸の話です。

この記事では、この2点を中心に整理していきます。

危険物乙4の種類・分類一覧|第4類は7区分

特殊引火物から動植物油類まで第4類危険物7区分を示した一覧図

まずは7区分を一覧表で確認しましょう。

分類分類のポイント代表物質初心者向け覚え方の軸
特殊引火物発火点100℃以下、または引火点マイナス20℃以下かつ沸点40℃以下ジエチルエーテル、二硫化炭素石油類より前に置かれる、特に危険性の高いグループ
第一石油類引火点21℃未満ガソリン、アセトン石油類の中で最も引火点が低い
アルコール類炭素数1〜3の飽和一価アルコール(変性アルコールを含む)メタノール、エタノール石油類とは独立した品名
第二石油類引火点21℃以上70℃未満灯油、軽油日常でもなじみのある燃料
第三石油類引火点70℃以上200℃未満重油、クレオソート油石油類の中では引火点が高め
第四石油類引火点200℃以上250℃未満ギヤー油、シリンダー油潤滑油の仲間が多い
動植物油類動植物由来で引火点250℃未満アマニ油、ナタネ油石油由来ではなく動植物由来

この一覧はあくまで「分類のポイント」を短くまとめたものです。次の見出しから、特に間違いやすい部分を詳しく見ていきます。

ミナ先生
ミナ先生

表の順番どおりに覚える必要はありません。まずは「7つある」ことと、大まかなグループ分けを意識してみてください

第1〜第4石油類は引火点の境界で整理する

第一〜第四石油類の4つは、危険物乙4の引火点・発火点の違い|燃焼点・沸点との区別と覚え方を初心者向けに解説で解説した「引火点」を使って区切られています。境界となる数値は次の4つです。

第1から第4石油類の引火点21度・70度・200度・250度の境界と、水溶性・非水溶性が別軸であることを示した図
  • 21℃
  • 70℃
  • 200℃
  • 250℃

この4つの数値を境目に、石油類が4段階に分かれます。

第一石油類|21℃未満

引火点が21℃未満の物質です。代表例はガソリン・アセトンです。石油類の中では最も引火点が低く、常温でも蒸気が発生しやすい性質を持ちます。

第二石油類|21℃以上70℃未満

引火点が21℃以上70℃未満の物質です。代表例は灯油・軽油です。21℃ちょうどの物質は、第一石油類ではなく第二石油類側に区分されます。

第三石油類|70℃以上200℃未満

引火点が70℃以上200℃未満の物質です。代表例は重油・クレオソート油です。70℃ちょうどの物質は、第二石油類ではなく第三石油類側に区分されます。

第四石油類|200℃以上250℃未満

引火点が200℃以上250℃未満の物質です。代表例はギヤー油・シリンダー油です。200℃ちょうどの物質は、第三石油類ではなく第四石油類側に区分されます。

ここで注意したいのは、「引火点さえ分かれば、現実にあるどんな物質でも必ずこの4区分のどれかに分類できる」とは言い切れない、という点です。法令上は、この記事で紹介しきれない例外や別区分に該当する物質もあります。この記事の整理は、あくまで乙4の学習を進めるうえでの基本的な考え方として使ってください。

特殊引火物・アルコール類・動植物油類は別枠で整理する

石油類の4区分とは別に、特殊引火物・アルコール類・動植物油類という3つの区分があります。これらは「引火点の階段」には含まれない、それぞれ独立した条件を持つグループです。

レン
レン

この3つは石油類の並びとは違う条件で決まってるんだよ。引火点の数直線だけで考えると詰む

特殊引火物

特殊引火物は、次のいずれかに該当するものです。

  • 1気圧において発火点が100℃以下のもの
  • 1気圧において引火点がマイナス20℃以下、かつ沸点が40℃以下のもの

代表例はジエチルエーテル・二硫化炭素です。「特殊引火物は引火点マイナス20℃以下のものだけ」という説明は正確ではありません。発火点の条件だけで該当する場合もあります。

アルコール類

アルコール類は、1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの飽和一価アルコール(変性アルコールを含む)と定義されています。代表例はメタノール・エタノール・1-プロパノール・2-プロパノールです。

ここで特に注意したいのが、エタノールなどのアルコールは、引火点の数値だけを見て「第一石油類」に分類してはいけない、という点です。法令上、アルコール類は石油類とは独立した品名として定められています。引火点がたとえ第一石油類の範囲に近い数値であっても、炭素数1〜3の飽和一価アルコールに該当するものは、アルコール類として扱われます。

ミオ
ミオ

エタノールって引火点低そうだから、てっきり第一石油類だと思ってた……

ミナ先生
ミナ先生

そこはよく間違えるところです。アルコール類は石油類とは別に、独立した品名として決められているんですよ

動植物油類

動植物油類は、動物の脂肉等、または植物の種子もしくは果肉から抽出したもので、1気圧において引火点250℃未満のものです。代表例はアマニ油・ナタネ油です。

注意点として、総務省令で定めるところにより貯蔵保管されている動植物油の一部は、危険物としての第4類ではなく、指定可燃物として扱われる場合があります。「引火点250℃未満ならすべて動植物油類として危険物に該当する」と単純化しないことが大切です。

水溶性・非水溶性は「7区分とは別軸」で考える

ここが、この記事で特に押さえておきたいポイントです。「水溶性」「非水溶性」は、7区分の8番目・9番目の分類ではありません。7区分とは別の軸にある性質です。

水溶性液体とは、1気圧・温度20℃で同容量の純水と緩やかにかき混ぜた場合に、流動がおさまった後も混合液が均一な外観を維持するもの、という考え方で説明されます。非水溶性液体は、それ以外のものです。「水に少しでも溶ければ水溶性」という説明は正確ではありません。

たとえば、同じ第一石油類でも、水溶性と非水溶性の物質があります。

  • ガソリン → 第一石油類 → 非水溶性
  • アセトン → 第一石油類 → 水溶性

このように、「第一石油類」という分類名と、「水溶性/非水溶性」という性質は、別々の情報です。同じ分類の中でも水溶性・非水溶性の両方が存在しうる、という理解が大切です。

特に第一〜第三石油類は、「分類名+水溶性/非水溶性」という組み合わせで問われることがあるため、初心者が混乱しやすいポイントです。

ミオ
ミオ

え、水溶性って分類のひとつじゃないの?

レン
レン

違うんだよ。7区分とは別に、水に混ざるかどうかっていう性質が横に付いてくるイメージだな

なお、水溶性・非水溶性の違いは、指定数量にも関係してきます。指定数量の詳しい一覧や覚え方は、危険物乙4の指定数量の覚え方|一覧・語呂合わせ・倍数計算を初心者向けに解説で詳しく紹介しています。

代表的な危険物は「物質名+分類」で覚える

7区分の意味を理解したら、代表的な物質を分類とセットで確認していきましょう。一度に大量に覚えようとせず、まずは分類ごとに2つ程度から始めるのがおすすめです。

  • 特殊引火物:ジエチルエーテル、二硫化炭素
  • 第一石油類:ガソリン、アセトン
  • アルコール類:メタノール、エタノール
  • 第二石油類:灯油、軽油
  • 第三石油類:重油、クレオソート油
  • 第四石油類:ギヤー油、シリンダー油
  • 動植物油類:アマニ油、ナタネ油

これらはいずれも、法令上の代表例として挙げられることが多い物質です。実際の教材や問題演習では、これ以外の物質名も登場します。掲載する代表物質は、必ず教材や公式情報で確認しながら覚えていってください。

第4類危険物に共通する性質や、火災予防・消火方法まで詳しく知りたい場合は、危険物乙4の性質・消火の覚え方|第4類の特徴と消火方法を初心者向けに解説もあわせてご覧ください。

分類問題で迷ったときの初心者向け見分け方

ここで紹介するのは、法令上の正式な危険物判定フローではなく、乙4の学習を進めるうえでの整理手順です。実際の判定は、必ず法令・公式資料に基づいて行われます。

STEP1 物質名から既知の代表物質か確認する

ガソリン・灯油・エタノールなど、すでに知っている代表物質であれば、そのまま分類を思い出します。

STEP2 石油類なら引火点の境界を見る

引火点の数値が示されている場合は、21℃・70℃・200℃・250℃のどの範囲に入るかを確認します。

STEP3 石油類以外の条件に該当しないか確認する

アルコール類(炭素数1〜3の飽和一価アルコール)、特殊引火物(発火点100℃以下、または引火点マイナス20℃以下かつ沸点40℃以下)、動植物油類(動植物由来で引火点250℃未満)に該当しないかを確認します。

STEP4 水溶性/非水溶性が問われているか確認する

分類名とは別に、水溶性・非水溶性が問われている場合は、7区分とは別軸の話として考えます。

STEP5 分からなければ問題解説・参考書へ戻る

この手順だけで判断がつかない場合は、無理に推測せず、問題解説や参考書で確認します。

この5ステップは、あくまで「学習時の考え方の整理」であり、これだけで法令上の危険物判定が完全にできるわけではありません。

危険物乙4の分類で間違えやすいポイント

初心者が特に間違えやすいポイントを整理しておきます。

  • エタノールなどを引火点だけで第一石油類だと思い込んでしまう(実際はアルコール類という独立した品名)
  • 水溶性・非水溶性を7区分の一つだと思ってしまう(実際は別軸の性質)
  • 特殊引火物を引火点マイナス20℃以下という条件だけで判断してしまう(発火点100℃以下という条件もある)
  • 第一〜第四石油類の境界の「未満」「以上」を逆に覚えてしまう
  • 動植物油類を、単純に第四石油類の続きだと思ってしまう
  • 分類そのものと、指定数量の数値を混同してしまう

これらは、7区分の意味を「何が起きるか」ではなく数字だけで丸暗記しようとすると起きやすい間違いです。

分類を覚えるときの初心者向け復習方法

私自身も、分類名が一気に並ぶと混乱しやすいので、一覧で比べながら整理するようにしています。参考書を最初から通読する方法は進みにくかったため、現在は先に問題を解き、間違えた箇所を参考書で確認し、もう一度解くという方法を中心にしています。

おすすめの復習の流れは、次のとおりです。

  1. 7区分の一覧を見る
  2. 代表物質を分類ごとに2つ程度ずつ確認する
  3. 問題を解く
  4. 間違えた分類だけ一覧へ戻って確認する
  5. 再度解く
ミオ
ミオ

一気に全部じゃなくて、間違えたところだけ戻ればいいんだ

分類は一覧を見るだけよりも、問題を解いて物質名と結び付けるほうが理解を確認しやすくなります。参考書・問題集選びで迷っている場合は、危険物乙4の参考書・問題集を比較|初心者向けの選び方と使い分けでタイプ別に比較しています。

問題演習全体の進め方や、公式の過去問題の使い方については、危険物乙4の過去問はどこで解ける?公式問題の見方と問題演習の進め方を初心者向けに解説で詳しく紹介しています。

危険物乙4の種類・分類についてよくある質問

Q. 第4類危険物は何種類ありますか?

特殊引火物・第一石油類・アルコール類・第二石油類・第三石油類・第四石油類・動植物油類の7区分に分かれます。

Q. 第1〜第4石油類は何で分かれていますか?

引火点の数値で分かれています。境界は21℃・70℃・200℃・250℃です。21℃・70℃・200℃ちょうどの物質は、それぞれ高いほう(第二・第三・第四石油類)の区分に含まれます。

Q. エタノールは第一石油類ではないのですか?

エタノールは、炭素数1〜3の飽和一価アルコールに該当するため、法令上は石油類とは独立した「アルコール類」という品名で扱われます。引火点の数値だけで第一石油類と判断しないよう注意してください。

Q. 水溶性と非水溶性は分類の一つですか?

7区分そのものではありません。水溶性・非水溶性は、7区分とは別軸の性質です。同じ分類の中に、水溶性の物質と非水溶性の物質の両方が存在することがあります。

Q. 指定数量も一緒に覚えた方がいいですか?

分類の意味を理解したあとであれば、指定数量とあわせて確認すると学習が進めやすくなります。ただし、この記事では分類の整理を中心にしているため、指定数量の詳しい一覧は別記事で扱っています。

Q. 分類問題を練習するにはどうすればいいですか?

まずはこの記事で7区分の意味を理解したうえで、問題演習を通して代表物質と分類を結び付けていくのがおすすめです。

まとめ|7区分・引火点・水溶性を分けて整理しよう

危険物乙4で扱う第4類危険物は、次の3つの軸で整理すると理解しやすくなります。

  • 第4類は7区分(特殊引火物・第一石油類・アルコール類・第二石油類・第三石油類・第四石油類・動植物油類)
  • 石油類は引火点21℃・70℃・200℃・250℃の境界で整理する(特殊引火物・アルコール類・動植物油類は別条件)
  • 水溶性・非水溶性は7区分とは別軸の性質
白川校長
白川校長

一度に全部覚えようとせず、7区分・引火点・水溶性を1つずつ整理していけば十分じゃ

分類の基礎が分かったら、第4類共通の性質や消火方法は危険物乙4の性質・消火の覚え方|第4類の特徴と消火方法を初心者向けに解説、引火点・発火点そのものの違いは危険物乙4の引火点・発火点の違い|燃焼点・沸点との区別と覚え方を初心者向けに解説、指定数量の詳細は危険物乙4の指定数量の覚え方|一覧・語呂合わせ・倍数計算を初心者向けに解説もあわせてご覧ください。

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