
ITパスポートの次って……基本情報?

目的による。

また便利な答え!
ITパスポートに合格した、または学習が一段落したあと、「次は何を勉強すればいいの?」と迷う人は少なくありません。「基本情報が普通?」「セキュリティに興味があるけど何を取ればいい?」「AIに興味があるけど資格はあるの?」と、選択肢が多くてかえって決めづらいという声もあります。
この記事では、ITパスポートの次に検討できる代表的な3つの資格(基本情報技術者試験・情報セキュリティマネジメント試験・G検定)を、目的別に整理します。読み終える頃には、「次は基本情報しかない」ではなく、自分の目的に合う選択肢が見えてくるはずです。
ITパスポートの次は「目的」で選ぼう
結論から言うと、ITパスポートの次に、全員が取るべき資格が1つ決まっているわけではありません。 「次は基本情報に進むのが正解」という単純な話ではなく、自分が何を学びたいかによって、検討する資格は変わります。
| 興味・目的 | 検討する資格 |
|---|---|
| IT技術をもっと深く学びたい、エンジニアを目指したい | 基本情報技術者試験 |
| セキュリティ・情報管理を学びたい、非IT職でIT知識を伸ばしたい | 情報セキュリティマネジメント試験(SG) |
| AI・ディープラーニング・DXに興味がある | G検定 |
| まだ方向が決まらない | 無理に次の資格を決めず、興味を持った分野を確認する |
まだ方向が決まっていない場合、無理に次の資格を決める必要はありません。次の章で、それぞれの資格の特徴を具体的に見ていきましょう。
基本情報・SG・G検定を比較

3つの資格は、実施団体も目的も異なります。まず全体像を整理しますね
まず、この記事で扱う3つの資格を表で比較します。
| 項目 | 基本情報技術者試験(FE) | 情報セキュリティマネジメント試験(SG) | G検定 |
|---|---|---|---|
| 実施団体 | IPA(独立行政法人) | IPA(独立行政法人) | JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会) |
| 区分 | 国家試験 | 国家試験 | 民間検定 |
| 主な方向 | IT技術・エンジニア志向 | セキュリティ・情報管理 | AI・ディープラーニング活用 |
| 試験方式 | CBT方式(通年実施) | CBT方式(通年実施) | オンラインまたは会場(2026年は年9回開催) |
| 試験時間・出題数 | 科目A:90分・60問、科目B:100分・20問 | 120分・60問程度(科目A・科目B) | オンライン100分/会場120分、145問程度 |
| 受験料 | 7,500円(税込) | 7,500円(税込) | 一般13,200円(税込)、学生5,500円(税込) |
| 受験資格の制限 | なし(ITパスポート合格は不要) | なし(ITパスポート合格は不要) | なし |
| 2026年の実施状況 | 通年実施、2026年12月28日以降休止予定 | 通年実施、2026年12月28日以降休止予定 | 年9回開催(IPAのCBT休止とは無関係) |

重要な点として、基本情報・SGとも、ITパスポート試験に合格していなくても受験できます。 「ITパスポートに合格しないと次の資格を受けられない」という条件は存在しません。G検定にも受験資格の制限はありません。
なお、「基本情報はG検定より難しい」のような独自の難易度ランキングは、公式機関が示しているものではないため、この記事では断定しません。学習範囲や問題形式が異なるため、単純比較は難しいというのが実情です。合格率も試験回・年度によって変動するため、最新の数値はそれぞれの公式サイトでご確認ください。
IT技術をもっと深く学びたいなら基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する国家試験です。IPA公式では、「サービス、製品、システム又はソフトウェアを作り上げるためのITに関する基本的な知識・技能を持ち、実践的な活用能力を身に付けた者」を対象としており、「ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、まず基本情報技術者試験から受験することをお勧めします」という案内があります。
システム開発・プログラミングなど、IT技術そのものをより深く学びたい人、ITエンジニアを目指したい人に向いている試験です。
試験はCBT方式で通年実施されており、科目A(90分・60問・四肢択一)と科目B(100分・20問)の2部構成です。受験手数料は7,500円(税込)で、受験資格の制限はありません。
くわしい試験内容は、IPA公式サイト「基本情報技術者試験」でご確認いただけます。
セキュリティ・情報管理を学びたいなら情報セキュリティマネジメント試験(SG)

SGって、ITパスポート受かってないと受けられないんじゃないの?

受験資格に制限はない。前提条件でもないぞ
情報セキュリティマネジメント試験(SG)も、IPAが実施する国家試験です。IPA公式では、「iパス(ITパスポート試験)合格から、さらにステップアップしたい全ての方」を対象の一つとして挙げており、業種・職種・部門(営業・企画・製造・総務・人事・経理等)を問わず、情報セキュリティに関わる人材が幅広く求められているという趣旨の説明があります。
つまり、エンジニアだけでなく、非IT職を含めた幅広い立場の人が検討できる試験です。個人情報を取り扱う人、情報管理を担当する人にとって、実務に直結しやすい内容といえます。
試験はCBT方式で通年実施されており、試験時間は120分、科目A・科目Bをあわせて60問程度が出題されます。受験手数料は7,500円(税込)で、こちらも受験資格の制限はなく、ITパスポート試験の合格は前提条件ではありません。
くわしい試験内容は、IPA公式サイト「情報セキュリティマネジメント試験とは」でご確認いただけます。
AI・DXに興味があるならG検定

G検定って、IT系の資格じゃないの?
G検定(ジェネラリスト検定)は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する民間の検定です。基本情報・SGのような国家試験ではありません。ディープラーニングを事業に活かすための知識を持ち、適切な活用方針を決定できるかどうかを問う内容で、AI・ディープラーニング・生成AI・DXをビジネスで活用したい人に向いています。
試験はオンライン(100分・145問程度)または会場(120分・145問程度)で実施され、2026年はオンライン年6回・会場年3回、合計年9回の開催が予定されています。受験料は一般13,200円(税込)、学生5,500円(税込)です。受験資格の制限はありません。
出題範囲は、AIの定義からディープラーニングの手法までの技術分野と、個人情報保護法からAIガバナンスまでの法律・倫理分野の2領域にわたります。
くわしい試験内容は、JDLA公式サイト「G検定」でご確認いただけます。
ITパスポートで学んだ知識は次の資格でどうつながる?
ITパスポートでは、ストラテジ系(経営全般)・マネジメント系(IT管理)・テクノロジ系(IT技術)という3分野を幅広く学びます。この基礎知識が、次の資格のどの方向につながるかを整理します。
- テクノロジ系の内容を深めたい場合: 基本情報技術者試験へ。プログラミング・システム開発など、より専門的な技術分野へ進みます。
- マネジメント系、特にセキュリティ・情報管理の内容を深めたい場合: 情報セキュリティマネジメント試験(SG)へ。組織における情報セキュリティの計画・運用・評価という、実務的な管理の視点を学びます。
- ストラテジ系のうち、AI・データ活用に関する内容を深めたい場合: G検定へ。ITパスポートで軽く触れるAI・データの内容を、ビジネス活用の視点でより詳しく学びます。
ITパスポートの学習は、決して次の資格と無関係ではありません。どの分野に興味を持ったかを振り返ることが、次に選ぶ資格のヒントになります。
大学生・就活ならどれを選ぶ?
大学生の場合も、基本的な考え方は同じです。ITエンジニア志望なら基本情報技術者試験、セキュリティ・情報管理系に興味があるならSG、AI・DXに興味があるならG検定を検討してみてください。

資格だけで内定が決まるわけじゃないぞ
ただし、「この資格を取れば就活で有利になる」「これがあれば内定が取れる」と断定することはできません。資格は、興味のある分野を示す材料、学習した内容を面接や自己PRで説明する材料として役立つものであり、資格の有無だけで採用結果が決まるわけではない、という前提で考えてください。
非IT職ならどれを選ぶ?
営業・企画・総務・人事・経理など、非エンジニア職でIT知識を伸ばしたい場合は、情報セキュリティマネジメント試験(SG)がまず検討しやすい選択肢です。IPA公式でも、業種・職種・部門を問わず情報セキュリティ人材が求められているという趣旨の説明があります。
もちろん、「非IT職だから基本情報は意味がない」というわけではありません。IT技術そのものに興味が出てきた場合は、基本情報技術者試験を検討する余地もあります。AI・DXに関心がある場合はG検定も選択肢です。職種にかかわらず、まずは自分の興味がどこにあるかで考えてみてください。
AI・DX系ではDS検定・DX推進パスポートという選択肢も
AI・DXに関心がある場合、G検定に加えて、データサイエンティスト検定(DS検定)リテラシーレベルという選択肢もあります。DS検定は、一般社団法人データサイエンティスト協会が実施する民間検定で、データサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力を、見習いレベルの実務能力として問う内容です。
また、ITパスポート・G検定・DS検定(リテラシーレベル)のいずれかに合格すると、デジタルリテラシー協議会(IPA・JDLA・データサイエンティスト協会による官民連携の会議体)から、無料の「DX推進パスポート」というデジタルバッジを申請できます。3資格のうち合格した数に応じて、DX推進パスポート1〜3の3段階が用意されています。
すでにITパスポートに合格している場合、G検定またはDS検定のどちらかに合格するだけで、このバッジを申請できることになります。AI・DXへの興味を形にする選択肢の一つとして、参考にしてみてください。
目的別おすすめルート
ここまでの内容を、ルートとして整理します。

- IT技術を深めたい:ITパスポート → 基本情報技術者試験
- セキュリティ・情報管理を深めたい:ITパスポート → 情報セキュリティマネジメント試験(SG)
- AI・DXに関心がある:ITパスポート → G検定(必要に応じてDS検定も)
まだ方向が決まらない場合は、無理に次の資格を決める必要はありません。それぞれの公式サイトを眺めてみて、興味を持てる内容があるかどうかを確認するところから始めても大丈夫です。
ITパスポートの次の資格に関するよくある質問
Q. ITパスポートの次は基本情報が普通ですか?
そういう人も多いですが、全員に当てはまるわけではありません。IT技術を深めたい人には基本情報が向いていますが、セキュリティに興味があるならSG、AIに興味があるならG検定という選択肢もあります。
Q. ITパスポートに合格していなくても基本情報・SGを受けられますか?
はい、受けられます。基本情報・SGとも受験資格に制限はなく、ITパスポートの合格は前提条件ではありません。
Q. SGと基本情報、どちらがいいですか?
目的によります。IT技術・システム開発を深めたいなら基本情報、セキュリティ・情報管理(非IT職を含む)に興味があるならSGを検討してみてください。
Q. G検定はIT初心者でも受験できますか?
受験資格の制限はなく、IT初心者でも受験できます。ただし、AI・ディープラーニングに関する学習は必要です。
Q. 大学生ならどれがおすすめですか?
進みたい方向によります。エンジニア志望なら基本情報、セキュリティ系に興味があるならSG、AI・DXに興味があるならG検定を検討してみてください。資格だけで就活結果が決まるわけではない点にも注意してください。
Q. 基本情報・SG・G検定を同時に勉強したほうがいいですか?
必ずしもその必要はありません。まずは自分が最も興味を持てる1つから始め、余裕があれば他の資格も検討する、という進め方で問題ありません。

まとめ|次は「目的」から選べばいい

次に何を学ぶかは、人それぞれでよいのじゃ。焦って1つに決めつける必要はない
この記事で紹介した内容を振り返ります。
- ITパスポートの次に、全員が取るべき資格が1つ決まっているわけではない
- IT技術を深めたいなら基本情報技術者試験、セキュリティ・情報管理ならSG、AI・DXに興味があるならG検定
- 基本情報・SGはIPAが実施する国家試験、G検定はJDLAが実施する民間検定
- 基本情報・SGとも、ITパスポートの合格は受験条件ではない
- 大学生・非IT職も、それぞれの目的から選べばよい

……よし、私はまずAIのやつ、ちょっと見てみる!
今日、まず自分がどの分野に興味を持っているかを振り返ってみてください。まだITパスポートの学習が終わっていない場合は、ITパスポートの勉強方法|初心者向け独学の進め方と1ヶ月・2週間の学習例もあわせてご覧ください。


コメント